貨車の記号 (昭和3年以降の国鉄車輌称号規定)
車種 構造・用途記号 荷重記号
緩急車記号
特殊標記符号
1928
(S 3~)~
1953
(S28)~
1959
(S34)~
1965
(S40)~
構造・用途 荷重・寸法 標記例
有蓋貨車 有蓋車
荷重記号
(14t未満は記号無し)
:14~16t
:17~19t
:20~24t
:25t以上
(構造・用途記号の次位)
緩急車記号
:車掌室・車掌弁付
(記号の末尾)
:有蓋車の雨漏れ車 (1948.4~ -)
:ワム90000形 改造の簡易冷蔵車 (1956.8~ -) *8
:制限速度75km/hの急行用 ワム60000形・ワム90000形 (1961~1965)
:パレット荷役の ワム80000b形 (1973.5~ -) *9
:自重が軽いため2t増積できる ワム1900形・ワム2000形・ワム50000形 (1960.8~1966)
:延長換算1.2の ワム80000b形 (- ~ )
ワム
ワム
ワム
ワム
ワム
鉄側有蓋車
鉄製有蓋車
車運車(旧)
冷蔵車
:懸垂鉤付(食肉用)
:無氷槽

:妻氷槽
:天井氷槽
:ドライアイス冷却専用
(1931.9~1953.6)
:無氷槽
:天井氷槽
:ドライアイス冷却専用
(1953.6~ )
:荷重12t
:荷重10t以下
(1931.9~1933.9、 c.1938~1953.6) *10
:荷重12t、容積荷重9t 
:荷重12t、容積荷重8t以下
(1933.9~c.1938)
コト
オシウ
通風車
:有蓋車兼用
:棚付
:その他
(1931.9~1953.6)
:有蓋車兼用 (1953.6~ )
コワ
家畜車 :有蓋車兼用の カム1形 (1962~1968) カム
豚積車
家禽車
活魚車 *1
陶器車 *2
無蓋貨車 無蓋車 :シートをかけて有蓋車に代用できる トラ25000形 (1957~1963.4)
:石炭15t分の容積で荷重17t、延長換算1.0の トラ (1957.2~ )
:石炭15t分の容積で荷重18t、延長換算1.0の トラ55000形 (1963.5~ )
:荷重36tの トキ23900形・トキ25000形 (1966~ )
トラ
トラ
トラ
トキ
土運車
長物車
コンテナ車 *3
大物車
車運車(新) *4
石炭車
ホッパ貨車
ホッパ車 *5 :最大長12m超、延長換算2.0 (1973.5~ ) ホキ
タンク貨車 タンク車 :純アルミニウム製タンク体 (1978.10~ ) *11
最大長16m超、延長換算2.5
:ボギー車で最大長12m以下の タサ・タキ、延長換算1.5 (1973.5~ )
タム
タキ
タキ
アコタサ
水槽車→
水運車 (1953)
準貨車→
事業用貨車 (1953)
車掌車
雪掻車
操重車
控車
検重車
歯車車
試験車 *6
職用車 不明 *12
救援車
工作車
連絡直通社車の特例 その他の特殊標記符号
鉱石車 *7 戦時増送非常措置による増積トン数
1t~5t:
イロハニホ
(1941.12.22~1946.3.1)
トラ
ワム
チキ
:制限速度65km/h以下の運用制限車。(1968.2~)
北海道内限定運用の有蓋車・鉄側有蓋車・無蓋車は 枠。後に冷蔵車・私有貨車を追加。 *13

トラ

スム
タラ
その他の記号と特殊な標記例
軽便線の記号1911 (M44) 1.16 制定、1949 (S24).12 に最後まで残っていた釜石西線改軌をもって廃止。)
:軽便線車輌 (標記例:
:ボギー車 (標記例:ワフ
私鉄買収車の特例
は緩急車記号 に対して、ブレーキシリンダ未設置で車掌弁を持たない緩急車。
戦災応急復旧車 被災した貨車を簡易修繕して復旧させた。1945 (S20).7
鋼製の有蓋車の無蓋車代用車。(標記例 ワム
木造有蓋車の無蓋車代用車。(標記例 ワム
無蓋車の長物車代用車。(標記例 トム
識別のための形式
ローダー式雪掻車の付随車:キ950形 に付随する蒸気式融雪タンク車の性能不足に伴い、横付けされた雪捨て列車に積み込みができるベルトコンベアを備えた付随車を新たに製作し、形式を キ950形 と別形式とした。1953 (S28)
操重車控車:ソ150形 の控車 チキ1000形 を ソ150形 と形式変更した。1959 (S34).3
識別のための標記
大物車の枕枠:シキ60形 の枕枠(2-2AB)は両端に連結器を備え、回転枕木を装着して単独で平床式大物車として使用できることから、それぞれ で区別した(標記例:シキ61・シキ61)。但し記号番号とは独立して標記された例が多い。
連結タンク車:C53形 の炭水車2輌を永久連結した糖蜜専用車 タキ1600a形 を、それぞれ で区別した(標記例:タキ1602・タキ1602)。1949 (S24).9
大物車の荷受梁:同一車輌で複数の荷受梁を有する場合は、荷役梁の形状により番号の末尾に、A:低床式 B:吊掛式 C:落し込み式 D:分割低床式 が付される。同形状の荷受梁を複数有する場合は、さらに梁を区別する番号が付される(標記例:シキ611B2)。同形式内で荷受梁が転用された場合、標記は転用先の車輌に準ずる。 1959 (S34)~
貨車以外に使用された例 (事業用貨車の 、緩急車記号 は貨車以外と共用)
90形:ローカル線用に貨車牽引を想定して試作された有蓋気動貨車。1960 (S35).7
ホニ900形(後の ホニ1900形):旅客列車に併桔される連合軍の自動車搬送車(High Speed Flat Car) に、便宜的に構造・用途記号 が冠された。 1947 (S22).10.17~1953 (S28).12.15
新幹線貨車
新幹線の貨車は全て事業用で、形式は数字のみで「形式-車番号」で示す。
貨車もどきの車輌
陸軍省の列車砲に付随する砲側弾薬車 1:記号と形式の標記は無く、その他の標記は貨車に準ずる。
蒸気式操重車に連結される炭水車は、両端に連結器を持つものの独立した車輌ではない。また操重車のブームを乗せる控車代用の長物車の中には、少数ながら操重車と同じ記号番号が標記されたものが存在する。
廃車後に標記を抹消され、工事用車輌や工場内の入換用控車に転用されたものが多数存在する。
計画に終わった記号
チキ1500形 改造の車輌積載型移動変電所に対して、準貨車に変電車を新設し 1形 を当てる案があったが、竣工後何らかの事情で実現しなかった。1948 (S23)  は後に救援車が使用した。
水槽車(後の水運車)を事業用貨車に編入し、さらに配給用の代用貨車に、配給車 を新設する案が検討されたが中止になった。 c.1953 (S28)
未確認の記号
戦争末期か終戦直後に、私鉄の屎尿輸送に倣って汚物車 1形 なる貨車が存在したという説があるが、公式な記録は確認されていない。当時の運用規定では内張りの無い有蓋車が想定されており、1954 (S29) 年に全廃された テキ1a形 が候補に挙げられた可能性が推測される。
*1 1930 (S5) 年制定 *2 1933 (S8) 年制定
*3
長物車から分離。1973 (S48) 年にはコンテナ貨車として無蓋貨車より独立。
*4 大物車から分離 *5 1953 (S28) 年のホッパ貨車新設によりタンク車から分離
*6 客車に区分されていたもののうち2軸車を分離・編入。
*7 東武鉄道や秩父鉄道等の国鉄連絡直通車では、例外的に社固有の構造・用途記号をそのまま使用した。

*8 正式規定には無い試作車に対しての便宣的なもの。
*9 短期間で 延長換算1.2を示す に移行。当時の電報略号ではパレット荷役の ワム80000b形 に「パワム」が充てられており、実際 ワム と標記された車輌が存在したという情報があるが、特殊標記符号で濁音・半濁音の使用例は無く誤記と思われる。
*10 通風車は1953.6以前に廃止。

*11
入換作業に支障をきたさない、強度を増した肉厚の純アルミニウム製タンク体は省略される。

*12 ヤ550形 の一部に見られる。除草薬散布車には荷重標記があるが、タンク車の延長換算や種車となった トキ25000形 の荷重のどちらとも関連性は無い。
*13 コム1形 の中に
標記が確認されているが、種車の トム150000形(車) から改番時の抹消忘れと推測される。
グリーン文字は調査中です。 2021.6.24