日本の鉄道開業から遡ること約半世紀、イギリスに世界で最初の蒸気鉄道ストックトン・アンド・ダーリントン鉄道が開業しました。石炭の集積地ダーリントンと、ティーズ川に面した積出港ストックトンを結ぶ約40キロの炭鉱鉄道で、馬車鉄道時代からのスタイルそのままの "Chaldron Wagon" と呼ばれる簡素なホッパ貨車が使われていました。上からザッと積み込んで底からザッと吐き出す、重力まかせのとても大雑把な貨車でした。
旧型貨車保存図鑑では、液体は Tank(槽)、粉粒体は Hopper(漏斗)と明確に振り分けている。「Hopper:粉粒体をバルク輸送する貨車で、積込み口と取降し口を異にし、傾斜床と自然落下に依り荷降ろしする。」という定義から、無蓋車から進化した側扉式ホッパ車や、ダンプ式無蓋車も Hopper の仲間に入れている。運用技術の進歩に伴い、定義に当てはまらない様々な荷役装備を持つものが現れ、貨車の中でも最も多様化し、進化してきたのが Hopper と言えるかも知れない。